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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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いつか(2)

 01, 2018 23:41
「日本の新聞ありますか」

そう言ったのは隣の可愛い旅のお供。
あまりの美形ぶりにCAの女性は思わず2度見した。

「ええ。すぐお持ちしますね」
と満面の笑みで返す。

「ねえ、学校休んでよかったの」
そう尋ねると詮は窓の外を眺めながら
「うん。大したことない」
と独り言のように返答した。

――

「Merci」

新聞を持ってきてくれたCAに
可愛らしい笑顔でお礼を返すと


いくつかの新聞を
丁寧に詮は端から読み始める。

几帳面さは父親譲りだ。


「ねえ。勉強とか大丈夫なの」

普段あまりゆっくりと話すこともないためか
ついつい話しかけたくなる。

「ね、ママ。これってダーリンの叔父さんのことなんでしょ」

まったく人の話も聞かないで。
そう思いながら飛び込んできた記事には
確かに長町元法務大臣重篤との文字が書かれている。

「・・・あの人。これからどうする気なんだろう」

まだ小学生…のはずなんですが。
その横顔の涼やかさと
口調がますます父親にそっくりでドキッとする。

さあ。
あの人の人生ですからね。

そう言う自分も自分だと思うけれど。

どの新聞にもその記事の終わりには
こう記されていた。

「後継者は甥の長町一也氏でほぼ確定との見方である」



―――


「ママのそう言うところ。かわいくないよ」

片肘をついて息子は私を仰ぎ見る。
何時からこんな風に大人の口をきくように
なったのかしら。

「そ、そう?」


僕は知ってる。
ママが。

あの人をとても大切に思っていることを。
だからこそ。
あの人の気持ちを尊重したいことも。


でも。
でも。


本心は。
危ない目にあってほしくないと思ってることも。

あれだけの人だから。
そんな軟じゃないことくらい
僕にだってわかる。

人は。
好きになると
弱くなるんだと、
ママを見て思うんだ。


そう言うところ。あの人にはきっと伝わっていないと思うけど。

マザコンだと思われてもいい。
まだそう言うのをあの人に伝えられるほど
僕自身も可愛くない。

「あの人。医学書を開いてみてるの、知ってた?」

いい歳して。
そう言うとママは少しだけ微笑んだ。

「うん。気付いてた」

似合わないな。
そう言うとママはまた微笑む。

「そうね」

ねえ。詮。
パリに着いたら。
ママのお気に入りのところに連れて行くわ。








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