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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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いつか(1)

 01, 2018 00:10
「先ほど、都内の総合病院で会見を行った長町元法務大臣ですが、
だいぶ体調が悪そうでしたね。」

ワイドショーの司会者がさも心配だという顔つきで
現場のベテランレポーターにそう問いかける。


「ええ。こちらの病院は長町元法務大臣の実のお兄様が経営されている
病院になります。そちらのビップルームに先月の3日から入院されていると
の情報が・・」

絶え間なく流れている人の声がなんだか、洪水のように
思えて思わずスイッチを切った。
―――


2月も半ばになる頃。

世間ではインフルエンザが蔓延していて
外出も控えたくなるようなそんな時期だ。

ふと窓から外を眺めると
そこにはいくつもの白樺が
変わらずにあって。

木枯らしが広い庭を踊りながら元気に
クルクルと周るようで
思わずじっと見つめた。


桜新町のこの家で
ただ一人。

真っ白なリビングのソファに
腰かけて長町はため息をついた。


平日の昼間に
いい大人がこうしてるのも
もう。

正直飽きていたところだった。


「ここはすごく居心地が良くて。
できることならずっとここにいたいんだけどな」


ゴロンと大きなソファに寝転んでみる。
パリから運んできたすみれと、薪の生活を
知っているソファ。

心地よい張り具合とその感触と
少しばかりの嫉妬で。
思わず頬を強く摺り寄せた。

いい大人だから。
そんな小さなプライドで

二人の間柄に
未だに遠慮してしまう自分。

「そういうのも。
俺らしくないなあ」

とにかく。
今の俺はすみれに弱い。

惚れきっていると言ってもいい。
だけど。

そう言う関係に甘えないのが彼女で。

まったく俺のことなどお構いなく
相変わらずの仕事人間だ。

職種は違えど、ワーカーホリックなのは
薪と一緒だ。


この数か月。
一緒に住んでいる俺に、
一言も働けとも、何をしろとも言わず。

俺の意思のままにと。
放任主義にもほどがある。

また一つ大きなため息をつく。

要は。
かまってほしいわけだ。


しかし。
彼女は今ごろこの青空の高い高い上の
機上の人で。

フランスに1週間の出張なのだ。

テーブルには彼女の好んで読む
フランソワ-ズ・サガンの本が置きっぱなしで。
なんとなくページをぱらぱらとめくる。

Il n’ y a pas d’âge pour réapprendre à vivre.On ne fait que ça toute sa vie.

「学び直すのに年齢なんて…関係ない・・・か。」

悪くないが。


そんな時。
携帯から着信の音が鳴り響いた。


「一也か。」

ききなれた兄の声。

「叔父様から伝言だ。病院にすぐ来るように。」













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