FC2ブログ

明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

Take a look at this

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

天使

 16, 2017 23:03
天使の寝顔だ。


所長室のソファで
横になる薪の寝顔は。
それほどに美しい。

先日雪子さんと一緒に上野の絵画展で見た
天使像にそっくりで二度見した。

二度見しても角度を変えても
崩れるどころか際立った美しさに
見とれるばかりだ。


ただ。
少しその寝顔は苦しそうで。

先ほどまでの捜査の
苦しみを抱えて眠る天使の寝顔。


たまらず。
その柔らかな髪に触れる。

気付かれないように。
そっと。

少しだけ苦しそうだった寝顔に
安らかさが戻ると

青木はそっと毛布を掛け直して
部屋を出た。


-------―――


すぐに解決すると思われた捜査は
思いのほか時間がかかっていた。

事実は想像を超えてくる。
試されているかのようだ。

珍しく弱音らしき独り言と
ため息をついたかと思ったら。

ひたすらにかじりついていた
その作業を止め。
急に電池が切れたかのように
立ち上がって
「少し仮眠する」
そう言って部屋を出ていったのだ。


一瞬。
そこにいた岡部さんも
今井さんもきょとんとしていたが、

思えば早朝から誰よりも
作業に没頭しているのは
薪さんで。

「さすがに薪さんもお疲れか」

そういうと今井も
がちがちに凝った肩をまわしながら
冷めたコーヒーを飲み干す。


そしてまた。
何事もなかったように
皆作業を再開し、
没頭する。


これはいつもの。
見慣れた第九の光景に他ならない。

―――


嫌な光景だった。


ソファに横になって目を瞑ると
先ほどまでの映像がかえって
鮮明になる。


人は。
どれほどまでに残虐になるのだろう。
誰よりもその殺戮を死者の目を通して
見続けている自分であっても。

慣れることなど。
一度だってない。


時折。
遠い記憶の。
恐ろしい光景を知らなかった自分に。
戻れたら。

一瞬そんな考えがよぎって。
首を振った。


きっと。
疲れてるんだ。


目を閉じて。
何も考えないで。

そう。


誰かが。
そっと優しく髪を撫でる。


その柔らかな空気に。
何時しか。

呼吸が楽になっていく。


ああ。
その手を。

ああ。
まだここにいて。


そう思いながら。
僕は。


しばし眠りにつく。


つかの間の。
僕の。


安らぎ。






スポンサーサイト

COMMENT - 0

WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。