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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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ポールポジションおまけ

 03, 2017 22:22

真っ白の壁に。
滝が流れる絵をみていた。

ただの平面の絵なのに。
なんでこんなに。

滝以上に。
滝なんだろう。

水しぶきも
流れ落ちる水の勢いも

迫りくるようで
近づきがたい。


-------

「パパ」


ダイニングテーブルで一人
ウイスキーを飲んでいた僕に

おずおずと近づいてきた詮は
少し見ない間に背が伸びたなと
思わず微笑んだ。



「まだ寝ないの?」

詮の言葉で、
もう、11時を過ぎていて、
まだ会社から帰ったときのままの恰好だったことに気付いた。
ネクタイを緩め、腕まくりをしている自分は
職場の自分と変わりない。

目の前に広げた仕事の書類も。
まるではかどっていなかった。

「ああ。もう少し。」


もう少ししたら。


・・・・な。



そう言って。
優しく微笑む父は。
どことなく寂しそうな顔をしていると思った。




――――


「なんだ。こんな時間に。」


比較的、事件も少なくて、
平和な水曜日。

あの悪友、長町から電話がきても
心を広く持てそうな気がした。


「・・あのさ。薪・・。一生に一度のお願いなんだけど」


・・・・お前の一生のお願い。
以前にも聞いてやった気がするけど。


「本当に。本気のお願い。」

なんだよ。




ーーーーーーーー 

「今夜はやけに月がきれいだな」


そう呟いて、
薪はグラスに口を付けた。


そのしぐさは
気だるく
少しだけ涙目のようにも見え。

切なく眉を寄せて
耀いている月に照らされるその
美しさに。

もし恋人がそばに居たら。

照らし浮かび上がらせないで。
と強く願うだろう。


この美しさに。
誰もが魅了されてしまうから。



それほどの狂わしく
美しい姿で。

薪はまた気だるそうに
グラスに口を付けた。


今日は飲んでも
飲んでも酔いそうにない。




ーーーーーーーーーー



「あれ、薪さんどちらへ?」

まだ定時にもなっていないというのに。

そもそも、この人は定時に帰ったことなんてない。

一応いつも予定は把握しているつもりだったのだが
突然所長室をカバンを片手に出ていこうとしていたので
一言声をかけた。「ああ。ちょっとな。
すまない、後を頼む、岡部。」

と言葉を濁して
足早に駆けていった。



―――


 「びっくりしたよ」

ダイニングで宿題を広げながら
詮はそう言ってキッチンの薪に笑いかけた。


まさかパパが迎えに来てくれるなんて。


ああ。


俯きながら
微笑み、
桃を向くその手は美しかった。


「お菓子とかじゃなくていいのか。」

おやつは何がいいかと尋ねると
詮は真っ先に桃と言った。


「うん。果物が最近美味しいよね。
ってママが良く言うんだ」

何かにつけてママを持ち出すのは
まだ幼い証拠だなと薪は思う。


「確かに。この桃はあたりだな」
綺麗に皮をむいて丁寧に
切るのは几帳面な薪らしい。


「それで、ママは何時ごろ帰ってくるの」

美味しい美味しいと桃をほおばりながら
無邪気に詮が訊ねる。




そうだな。


明日、お前が学校から帰ってくるときには
きっと戻ってるさ。


あまり詮索するなよ。


そう言って
意地悪そうに笑った。







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