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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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ためらい

 11, 2017 00:46
熱い吐息が漏れて。

天井を仰ぐその横顔は。
なんでこんなにきれいなんだろうと
思わずその頬に触れる。


ハッとした顔で
こちらを向くその表情でさえ。

なんて美しいのだろうと
思わずこちらもため息が漏れる。
-------


「なに・・?」

気だるそうに少しだけ
微笑みながらこちらを見つめる薪は
本当に今まで見たどんな美人よりも綺麗で。

どうしたらこんな容姿の人間が
この世に産み落とされるのだろうと
本気で思った。

そんな俺の気持ちなんて。
まるで気付きもしないで。

薪は。
信頼と友情という
足枷に安堵しているかのように
柔らかに笑う。


「なんだ。鈴木。眠れないのか」

少しだけ眉を寄せて心配そうな声で。

柔らかな唇が無意識に
俺を誘う。

透明なその肌が

少しだけ紅潮しているのは。
さっきまで飲んでいた酒のせいだ。

その瞳が潤んでいるのも。
きっと。

―――


「鈴木君。薪君にこれ、渡してほしいんだけど」

「鈴木君。薪君誘って一緒に遊びに行こうよ」

大学の時から。
こいつと親しくなりたい女子や男子の誘いを。
俺は「いいよ」と極上の笑顔で受け止めて。

そして極上の笑顔で断る術を身につけた。


俺は。
いつしか。
薪を独り占めしたいと思うほどに。
常に一緒にいたかった。


そう。


あの頃からずっと
こいつに惹かれている。



それは。
友情。

などでは
決してない。


――


「少し飲み過ぎたみたいだ」

入省後の飲み会で二人。
珍しく泥酔して。

気がつけば。
俺のマンションのベッドで二人横になっていた。

一時間前。
渋谷の坂道を歩きながら。

明日、休みだろ。
ここからならうちのマンションが近いし、
そのまま泊まっちゃえばいいじゃん。


学生の頃のように。
当たり前のように。

「そうだな」と
薪ももうこれ以上歩くのは辛いとでも
言いたげな様子で。

案外
素直についてきた。

―――


この部屋は。
学生の頃からの僕たちを
知っていて。

僕は。

ここの部屋のストック品の場所や、
冷蔵庫の中には何が入っているのかさえ
分かるくらい知り尽くした場所で。

この住人である鈴木のことならなおさら。
理解していると自負している。


(大きい身体に合わせて
ベッドは大きいのを買ったんだ。)

(だから。
一緒に寝れるから来いよ。)




僕の気持ちなんて。
知りもしないのだろう。


思わずため息が漏れて。
ハッとしたのと。
鈴木の手のひらが僕の
頬を触ったのはほとんど同時だった。


―――

「ああ。眠れない」

そう言って。
鈴木の腕が
宙に浮いたのを
ぼんやり見つめる。

その腕の行き場が。
方向転換をして
思わぬ場所を捉えた瞬間。

めまいがした。

あっという間に
抱きすくめられて
心臓が転がり落ちそうだと
そんなことあるわけないのに。
そう感じて慌てる自分に驚いた。

「・・・・薪」

これくらいの至近距離で顔を近づけたこと
は今までだって何度も。

だから。
これは。

今までと何も変わらない。
戯言だ。


「鈴木。お前酔っぱらいすぎ」

そう言って笑ってその腕を振り払おうとした時だった。

思いのほか強い力で
抱き締め返されて
そのまま押し倒される。

白いワイシャツの布が重なり合い
衣擦れする音に紛れて

首筋に柔らかな感触が伝う。
耳元に熱い吐息を浴びながら
首筋を這うような唇の感触に
体中が震えた。


「・・おい、何を」

声まで震えていることに
驚いたのは鈴木も同じだったようで

一瞬。
その唇の動きが止まった。

「苦しいだろ」

このままじゃ。
そう言ってとうにはだけている
シャツに絡まる薪のネクタイを器用に外しながら
鈴木はまるで当たり前のように
薪のシャツをはぎ取った。


ーーーー


(俺は何をしてるんだ)

あっけにとられた顔をして。
じっと見つめる薪の瞳に。

我に返った。


「着替え・・用意してあるから。」


思いっきり薪の顔に
Tシャツを投げつけるように
ワザとふざけて被せた。

大きめのTシャツで
視界を遮られて。

しばし呆然としている薪に。

「そこまで脱がしてやったんだから。
 あとは剛君、自分で着替えなさい。」

意地悪そうに笑う鈴木の表情に。

僕は安堵したふりをする。


ーーーー



本当はこのまま。
何もかも。


囚われるものがなければ。
その腕を。
引き寄せて
そのまま



飽きることなく。



囚われるものがなければ。



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