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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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あなたに会いたくて 4

 14, 2017 11:01
人を想い、
そして想われるとは。

奇跡のようなことだと思いませんか。

そのカウンセラーは
濃いめのコーヒーを啜りながらそう言った。




―――

「当たり前のように
恋愛をして結婚をして。」

でも
それは当たり前ではないと。
そう思いませんか。


「全ての現象は。
奇跡だと思うのは大袈裟なことでしょうかね。」


綺麗な指をしていると
思った。

男の割には細くて長いその指が
コーヒーカップを包み込む所作が
滑らかに滑るように陶器を優しくなぞるのを
ぼんやりと薪は眺めた。

その視線に気づいたのか
彼は微笑んで俯く。


「薪さん。あなたは、赤信号を渡ったことは?」

突拍子もないなと思いながら

「いえ。ありません」

そう臆面もなく答える薪をみて。
辻山は満足そうにうなずいた。

あなたは・・・・
そういう人だ。

あなたは。
今の職業についていなくても
きっと
赤信号は渡らない。

そう言う人のような気がしていました。



「自分は。
理不尽なことをされているのに」


まるで汚れない。

憎悪も。
羨望も。
一身に受けて

それでもあなたは。
穢れなくそこにいる。

「本当のことを言えば。
時折あなたのその正義に無性に腹が立った」


あなたは。
どんな目にあっても。

穢れのない。
よどみのない瞳で
世間を見ている。

誰よりも
人間の汚いものを
あの映像の中で見続けて
いるはずなのに。

あなたは。
変わらない。


私はずっとそんなあなたを
興味深く想っていましたよ。

人を恨んだり。
憎んだり。

そういう汚い感情や
ずる賢い気持ちを
一切持っていないような顔をして
その美しさで人を魅了し
犯罪者までも虜にする。


さすがにその言葉にムッときたのか
眉をきゅっと寄せて不機嫌そうな表情をする。

「すみません。お気を損ねたかな」


****


「あなたは。愛してはいけないと思いながら。
その恋に身を投じることの快感と背徳感に苛まれた経験はありますか」


あなたは。
赤信号を渡らない・・・でしょう。

心に秘めた思いも。
あなたは。


唯一。
あなたが言ったあの
「あなたが殺されたい」人の話は。

あなたも生身の人間なんだと思わせてくれた唯一のエピソードでした。
だがしかし。
「愛している」と言えずに「殺されたい」と思うあなたの恋情に。


「あの時。私はあなたという人を初めて興味深いと思いましたよ」

片思いとか、
そう言うレベルじゃない。

「あなたは自分を許してはいけないと思ってはいませんか」


思いがけぬ言葉に薪の瞳が揺れた。


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