FC2ブログ

明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

Take a look at this

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

あなたに会いたくて 1

 29, 2017 00:47
映像が僕に囁いている。

「会いたかった。薪さんあんたは今
俺を見ているはずだ。」

そう言って貝沼は嬉しそうにまっすぐ鏡に
映った自分の顔を満足そうに眺めている。

―――

「薪さんは?」

早朝早くに東京について
すぐさまこちらに駆け付けたのに
岡部から返ってきた答えに青木は
すぐに後悔した。

「ああ、薪さん今日は定例のカウンセリングだ」

(今日の予定を確認してから来ればよかった)

昨日は福岡の事件が思いのほか長引いて
報告書を仕上げるのに手いっぱいになってしまったことを
青木は思い出していた。

急いで早歩きで研究室に駆け付けたので
少し息が上がっていたのに気付いた波多野が

「青木室長、ラウンジでお茶入れましたからどうぞ」
と気を遣って言った。

「ああ、すまない」

波多野は東京に来ればかならず
関わる第三管区の捜査員だが、
物おじもせずに薪さんに対しても
モノ申すことのできる稀有な部下だ。
(もしかしたら雪子さん以上かもしれない)
それでいて相手の気持ちを汲むことのできる
のは女性の捜査員ならではなのかもしれない。

「最近第九も女性捜査員が増えてきたね」
いつもの福岡土産を渡すと波多野は
いつも通り嬉しいですと言って受け取った。

冷えた麦茶が青木の喉を
すうっと流れていく。
焦っていた気持ちが消え
落ち着いた気持ちで波多野に話しかけた。

「そうですね。青木室長の第八管区にもいらっしゃいますよね」
と気がつけば隣に腰かけて
一緒に麦茶を飲みながら波多野は笑った。


「薪さん、カウンセリング長いのかな」

独り言ともつかず青木が呟くと珍しく波多野が
不安そうな顔をして青木を見つめる。

「青木室長は第九に入ってから
映像に囚われることってありますか」

囚われる?

「所長は・・・・。いまだにカウンセリングを
定期的に受けているじゃないですか。
もちろん他にも現役の捜査員でもカウンセリングを
必要だとされて受けている人も結構いますよね」


ああ。
ふと。

第九に入ったばかりのことを思い出した。

「これからはたっぷりみられる。
幻覚 幻聴 追跡妄想 あるいは狂うほどの怒りや悲しみ」

「僕たちの仕事はそういった脳を
毎日毎日見続けその中から少ない真実を拾い集めることだ」


現に。
俺はすぐに嫌になった。
あんなに憧れていた第九で。
憧れていた薪さんのそばにいたのに。

想像以上の映像に吐き気がした。
現実とMRIに映し出される狂った世界を
行ったり来たりする状況は正気の沙汰ではなかった。


「でも。それ以上に。あの人の使命とともに
俺は生きたいと思ったんだ」


そう言う青木を波多野は眩しそうに
見つめた。
スポンサーサイト

COMMENT - 2

Mon
2018.01.29
19:49

 #

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Edit | Reply | 
Mon
2018.01.29
22:58

柏木 けい #-

URL

Re: 待っていました。

M様。
初めまして。
コメントいただき本当にありがとうございます。

細々と更新している目立たぬこのブログに
たどり着いてくださいまして、
嬉しいコメントまでいただけて
本当に感無量です。

私も自分で書いていながらも
名前で呼んで・・とか死ぬほど恥ずかしいー。
でもたまらーん。
とか悶えながら妄想の翼を広げてつづっておりました。

お母さんの「剛」と呼びかける言葉は
とっても自然で温かいですよね。
そんな気持ちをすみれに投影して
思い出していたら。
切なくて、あ、涙が。


是非またお立ち寄りください。
お待ちしていますー!!!

本当にありがとうございます。




Edit | Reply | 

WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。