明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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B side

 16, 2017 00:28
深い眠りから
徐々に醒めるとき。

無意識に隣の腕をそっと
触る。
そしてその存在に安堵する。
僕の腕とは比べ物にならない
たくましいこの腕を。
僕は好ましいと思っている。

気持ちよさそうに
毛布に包まれている様は
大きな蓑虫のようで
ふとカフカの「変身」を思い浮かべた。

そしてもう一度その頬に触れ、
人間であることに安堵する。

初春の朝は
まだ少しだけ肌寒い。

素直な顔をして眠る
こいつの顔を
見つめるこの時間は。

至福の時だ

―――

もう少し眠るか。
と思った瞬間だった。

寝ぼけているのか
眠りが浅かったのか。
そっと腕を伸ばし僕の身体に
その温かい手が触れる。

大きな。温かい手。
僕の大好きなその温もりは
眠る前にこれ以上ないほどに
抱き締め合ったあの情景を思い出させた。

寝返りを打ちながら
ん・・・とため息が漏れた。

そして。
隣で眠る青木の身体を真っ白い毛布とともに
ぎゅっと抱きしめる。

眠っているときは。
いつも見降ろされているあの
感覚がなくなるのは
とても気持ちがいい。

僕はあえて少しぼさぼさのこいつの
髪をぎゅっと抱きしめる。

昨夜。
何度もこの唇を
僕の首筋にあてて
何度も熱情を煽って。

それをねだるかのような
しぐさも。

今なら
寝ぼけていたことの
言い訳にもできる。

ただ。
先ほどまでの身体の
その感覚を。

まだ手放したくなくて僕は。
ぎゅっとその大きな体に
自分の身体をそっと寄せる。

次第に堪らなくなったのか
青木が何度も強く背中を丸めながら
僕を抱き締めて
首筋に唇あてると
前から後ろへ
つぅっと伝うような仕草を何度も繰り返す。

ああ。
だめだ。

抑えきれないと思った瞬間だった。


今・・・何時?

僕は思わずそう呟いた。
そしてわざとらしく腕を上げながら
腕時計を見つめた。


「まだ4時過ぎだ。もう少し寝られる」

そう言いながらのどが渇いたふりをして
その天国のような毛布の優しさを
振り切って身体を起こした。


―――

冷蔵庫に入っているのは
ミネラルウォーターと
栄養補助食品くらいだった。

手前のミネラルウォーターを
手に取って僕はリビングへと向かう。

締め切られたカーテンをそっと開けると
高層階からの眺めが
眼下に広がる。

あと30分もすれば。
薄紫の空に淡いオレンジ色の
光が差し込むだろう。



僕は。
この夜明け前の風景を
一人眺めるのが好きだ。

この暗闇自体が
呼吸をしているように思えるから。

大きな。
何か大きな生命体の中に僕らは
こうして包まれて生きていて。

包まれて眠る。
そう思うと。

自分がえらくちっぽけな存在に思えて。
使命とか自分の価値とかですら
軽くて簡単なものに感じる。

小さな虫と何ら変わりないのだ。
命の重さは。
全て平等であると
思えて心から安堵する。

生かされていることを。
ただ。ただ受けとめることができる
瞬間だ。

ミネラルウォーターが
喉を伝って身体に浸透していく

窓辺に腰かけて
薪はただその風景を見つめていた。


―――

寝室に戻ると
大きな蓑虫はまだ気持ちよさそうに
寝息を立てて眠っていた。

「この寝室は魔法みたいによく眠れます」と
以前泊まりに来た時にもそう言っていたが。

いつまでも寝ていられると思うな。
そう心で呟くと
薪はダブルベッドの真ん中まで身体を忍ばせる。
そして後ろからぎゅっと抱きしめた。
おそらく冷たい体のその感覚に
目が覚めると思われた。

「あの後また眠ったのか。」
そう言って今度は僕が
首筋に口づけをする。

「まだ・・・」

眠いです。。。


と珍しく子供のようにそう答えるのを見止めて
僕は好ましくて嬉しくなった。

ぼさぼさの髪が
いつものオフィシャルな清廉な様子ではない
健全な青年という風貌で思わずもっと
顔を見たくなった。


「だめだ。こっちを向け」
嫌がる青木を正面から見据えて
尖らせた唇を熱い口づけで塞ぐ。

やっと意識が鮮明になってきたのだろう
逆にじっと見返され
何度も口づけを交わした。

そのキスは時に
熱い吐息とともに
「好きです」という言葉とともに吐き出されるから
僕の指も手も体も
震えるほどに熱くなる。


余裕のあるふりをして
みても。

次第にその口づけは唇にとどまらず
全身に降り注ぐ。

底抜けに優しいのに。
それでいてこの強い熱情が僕を狂わせる。

僕は惹かれ続けているのだ。
何度抱きあっても足りない。
誰も止められない。

やっと手に入れたこの
存在を。

手放すことなんて



・・・・もうできない。
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