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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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sorry9

 03, 2017 23:16
いつもの彼の状態でないことは
見てわかった。

どことなく視点も定まらないし、
手の震えも見てとれた。

そして何より。
額の汗が。
尋常ではない。

一体どういう経緯で今ここにいるのか。
どうやって来たのか。

先日見かけた時とは打って変わった様子に
青木は動揺を隠せなかった。

―――

「良く戻ってこれたな」

そう言って薪は心底ほっとした顔で
友人に優しく声をかけた。


深呼吸をして
少し顔を上げると長町は
ああ、と低い声で言い、静かに頷いた。

「公安の頃の経験が役立ったよ。
 普通だったら逃げ出せないようなところだ」


「白戸伊織の所在なら、捜査一課が追っている」
そう言って薪はうつむいた。
ここにお前がいることもいつ知れるかわからない。
だから手短に事の次第を話してくれ。

そう言って長町の震える手をそっと握った。


―――

高そうな腕時計に目をやると
長町は観念したような表情で
10分で話す。と前置きをした。

「伊織は。俺の高等部時代の後輩で。
銀座の老舗の和菓子屋の息子だ。
知っての通り。あの甘いマスクに
高身長。大学時代からモデルの仕事を始めて
今やドラマや映画に引っ張りだこの俳優。
まあ、すみれちゃんはそういうのに疎いみたいで
知らなかったらしいけど。」


ああ。
そうだ、あの白戸伊織だった。
女性ファンが多い売れっ子の俳優だ。
あの時、長町さんの隣で寄り添っていた男性。
青木は先日のことをまたも思い出す。



「伊織と再会したのは、先月OBの集まりがあって。
同窓誌を発行するからそこに掲載させてほしいという
オファーを受けて都内のホテルで集まった。その時だ」

淡々とまるで被疑者のように。


「男子校でね。知っての通り。伊織は俺の後輩であり
 ・・でもあった」

あの頃と変わっていなかったよ。
まるで。


ただ。
再会して話をしていくうちに。
ああ、だいぶやばい奴らとつるんでるなという
事も知った。

あいつは。
そこから逃げたいのか、逃げたくないのか。
まあ、結局今あいつらのところにいるんだから
逃げるつもりなんてなかったんだろう。
今になって思えば。

でも俺は。
「助けてほしい、救ってほしい」という伊織の
言葉を信じた。


この俺が。
本当に。


安易で
愚直だった。


本当に。


過去のことに囚われて、
正常な判断を怠っていた。





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