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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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sorry6

 31, 2017 23:32
今抱えている案件は相変わらず山のようにあり。
日本中、ニュースになるものもならないものも。
毎日のように科警研に流れてくる。

結局今日も各部署から数件の連絡が入っていて
休日出勤を余儀なくされた。

それどころか。

(今日も遅くなりそうだ)

廊下を速足で駆けながら
薪は少しだけため息をついた。


――――

リビングの時計が12時を回った。

「ご自分の誕生日でも。関係ないんだな」
コーヒーを飲みながら青木は静かに紙の手触りを確かめながら
一枚ずつ丁寧にその本をめくる。

神経科学者のマイケル・ガザニガの著書。
「〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義」。

薪さんが珍しく勧めてくれた本だ。
大変興味深い内容で、最新の脳科学について書かれた本。

この生活は。
俺がずっと長らく望んでいた形だ。

薪さんの家族になりたい。
薪さんのことが知りたい。

そういう一つ一つを。
あの人は。
向き合うことを覚悟してからは。
こうしてお互いの家を行き来する
(ほぼ俺がここに来るのだが)
ようになった。

―――


「まだ起きていたのか」

それから1時間後。
すこしうとうとしている青木に
声をかけた。



「あ、薪さん。お誕生日おめでとうございます。」

寝ぼけた声でそう言う青木に
薪はクスッと微笑んで

「ああ。もういいから寝ろ」
そう言って青木の読みかけの本に栞を挟んで
そっと閉じる。

その手をそっと掴みながら青木は
その腕を引き寄せる。

胸の中にその恋人がすっぽり収まると
青木はぎゅっと抱きしめる。

抱き締めながら。
泣きじゃくっていた詮のあの時の様子が
頭をよぎった。

―――


シャワーを浴びて
濡れた髪をバスタオルで拭きながら
戻ってくると薪は気分が少し晴れたのか
ベッドの上で青木がプレゼントした本を
嬉しそうにめくっている。


「良く見つけたな」
そう言って。

「あの、薪さん。これ詮君から」
おもむろに差し出された紙袋を
薪はああ、と受け取る。

「今日一緒に銀座に買い物に行ったんです。
一生懸命探してましたよ。仕事で使ってほしいそうです」
青木の言葉をうん、と聞きながら
きれいに包装されたそのプレゼントを神妙に広げた。

「きれいな藍色だな」
そう言いながら、先ほどまで読んでいた本の裏表紙に
サラサラと自分の名前を書くその表情は
まるで稟議書にサインしているかのようだ。


「ああ、使いやすそうだ」

さすが詮だな。と満足げに微笑みながら
そっとその万年筆をデスクの上に置く。

「青木。」

ふいに声をかけられて振り向くと
薪のその腕に首を絡めとられた。

バスローブのままで
その下には何もつけていないことも
分かる。

その腕に引きずられるふりをして。
仰向けになった彼をそっと抱きしめる。

「薪さん。休日出勤する時はおっしゃってください。
俺も一緒に・・・」その言葉は薪の人差し指で
遮られる。

「青木」

再度そう呼ばれ。
そっと灯りを消せば。

夜はまだ始まったばかりだ。






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