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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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sorry4

 29, 2017 23:57
翌日。
起きた時にはもう
すでにすみれは家を出た後だった。

彼女なりに遠慮しているのだろう。
スーツケース一つでやってきたらしく
彼女が去った後には何もなかったかのように
ベッドのシーツもきれいにメイキングされていた。
「どこいるの」

とメールをすると

「早めに出社してます。今日は誕生日でしょ。
青木さんと過ごしてください」
と淡白なメールが返されてきた。

「あと。キッシュ焼いたの。
キッチンに置いてあるから食べて」

メールを見て気がついた。
昨日の夜、焼いたものらしく
皿の上に朝食用らしいキッシュが置いてあった。

湯を沸かし。
コーヒーを淹れる。

休みの日に、こんなちゃんとした朝食をとるのは久しぶりだ。
青空の広がる窓の外の風景を見ながら。
一人は少し寂しいな。
とふと思う。

―――


「ねえ。青木さん今日何するの。」

青木のマンションに泊まった詮は
普段と違う朝に少し興奮気味だった。

「その前に着替えてください。あと、歯ブラシもありますから
それ、使って下さいね」
甲斐甲斐しく世話を焼くのは舞で慣れている。

「わかってる」
ちょっと不本意だというような顔をして詮は青木を見上げた。

「ねえ」とちょっと考えて話しかけるときの詮の表情は。
時折みせる薪のしたり顔に似ていて。
本当に小さな薪さんだなと感心する。

「ねえ。僕のママとパパが一緒にいて心配にならないの」
意地悪そうな顔をして青木にそう尋ねる詮は、
全てを分かったふうでいて、
実はその多様性過ぎるこの関係性に、
時に複雑な気持ちを抱えている。


「あの・・・この話を持ち掛けてきたのは、あなたですよね」
あくまで丁寧に応じるのは、青木の性分なのか。
もしくはあまりにも上司に似た彼に対してため口が憚られると思うからなのか。


「もし。何かあったとしても。それで壊れてしまうようであれば。
私も薪さんも。それだけの関係ということです」

静かに。でもかみしめるように答える青木を見て
詮は少しだけ頬を赤らめた。


―――

1時間後。
二人は銀座にいた。

年末年始の騒がしさや忙しさもひと段落した
銀座の街は皆寒さのせいか割と早足で歩いている。


「青木さんは何を買うの」
紺のダッフルコートを着て慣れた様子で歩くのは
都会の子っぽいなあと隣の詮をみて青木は感じる。

「そうですね。本を。あの人が最近よく読んでいるシリーズがあって。
まだ持っていないものが数冊あるんです」

穏やかな笑顔でそう言う父の恋人は。
プライベートの父を僕よりも知っていることが少し悔しいと思う。

「僕何にしようかな。」
悩みながらいくつかの店を二人でまわる。
お小遣いで買える範囲のものだから
余計に悩むなあと独り言をぶつぶつ言いながら店の中を歩き回る
詮を必死に追いかける青木が、
ふとウィンドウ越しに知った顔を見つけた。

あ。長町さん。

相変わらずの黒のメガネ。
黒のロングコートを着こなして少し派手なマフラーを
慣れた感じで巻き付けて。
初めて会った人が見ても、上質なものを着ている
いい家で育ったことがわかるそういう出で立ちだった。

ひとりかな。
そう思って眺めていると、
向かいの店から出てきた
背の高いモデルのような男性が嬉しそうに
長町に話しかけている。
ゆるくカールされた髪が
風に揺らめいてとてもきれいだなと思わず見とれた。


二人とも。
楽しそうに。


ハッと思い立ち、詮の姿を探す。

すると。少し離れたところで。
同じように。
ウィンドウの外をジッと見つめる彼の姿があった。
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