FC2ブログ

明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

Take a look at this

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

予感8

 18, 2017 21:05
「あれ、鈴木もう終わり?」

後ろから声をかけられて
振り向くとそこには長町が
下級生とともに戻ってきたところだった。

線の細い可愛らしい子だった。
「誰?」

泥だらけの鈴木が優しく
その子に話しかける。


「あ、あの。伊織です」

消え入りそうな声で、そう答える。
ドキドキしているのが傍からもわかる。
真っ赤な顔をして鈴木を見つめているのを
みて長町がため息をついた。

「伊織ちゃん、だめでしょ。真っ赤になる相手間違ってる」
後ろから抱き締めてそっと囁く。

「この子、うちの寮の子じゃないんだけどさ。
 かわいいだろ。銀座の有名和菓子屋の御曹司だぜ」

ここ最近の長町は。
適当に可愛い後輩をつまみ食いしてばかりで、
得意の馬術もさぼりがちだ。


「鈴木も・・・」

と長町はじっとそう言いながら見つめてつぶやく。


「うかうかしてられないな」

と意地悪くコモンルームの薪をそっと指さした。
そのときだった。

「おい、長町~!!
 今日も馬場に来なかったな!」
階段上から鬼のような声が響く。

さっきの上級生だ。

薪と青木が思わず玄関のほうを振り向く。

青ざめた長町と泥だらけの鈴木が
バカみたいにそこに
突っ立っていた。

――

「鈴木、だいぶ汚れたな」

ソファから立ち上がって薪は
慌ててやってきた。

「ああ、触るな。きれいな薪が汚れる」
そう言って鈴木は飛び切りの笑顔を薪に向ける。

ちょっと。そこの君。
手伝ってくれないかな。
と紳士的に。でもほんの少し威圧的に。
青木をじっと見つめる。

「あ、はい」
素直に立ち上がると青木は鈴木の後をついていく。


――


「悪いな」

鈴木の荷物を半分受け取った青木は
黙ってその後をついていく。

「いえ、光栄です」
そう言って青木はその後ろ姿を仰ぎ見る。

腕の逞しさと。
胸の厚さと。
そしてなによりもその精悍な顔つきに。
眩しくて目を細めた。

―――

その荷物置いといて。
部屋に招き入れて
その辺に座ってと声をかける。

シャワーを浴びてさっぱりした鈴木は
やっぱり、何というか校内で一番モテると
いう噂通り、どこからの角度で見ても、
完璧だと青木は思った。


「コーヒーでいい?」と冷蔵庫に入っている
アイスコーヒーを青木に差し出した。

「君、クラブとか入らないの?」
もし決まっていないなら、、ラグビーに・・と言いかけたときに
青木は「あ、決まっています」とやけに強くそれは聞こえた。

薪さんのいるフェンシングに。
と思っています。

薪のいる・・というくだりが大いにひっかかった。

「だいぶ薪のことが気に入ってるようだな」
とこちらも強気な言葉がつい出てしまう。

「・・・僕が誘ったんだ」
ふいにドアを開けながら薪がそう言った。

驚いて鈴木は薪をただ見つめる。

今までこんな風に。
薪が俺以外の人間に対して
興味をしめすことなんてなかったのに。


自分の中の何かどす黒い感情が。
湧き上がる事への戸惑いが。

鈴木の指を少しだけ震えさせた。

―――


嗚呼。

台風が来ているのか。
外は雨音がひどく寮の外壁を打ち付ける音がする。

嗚呼。

どうして。と組み敷かれながら
その白い肢体は蠢く。

「すずき・・。ちょっと痛い・・」
遠慮しながらも抑えきれなくなって
薪はそう嘆願する。

「あ、ご、ごめん」
つい。
力が入りすぎたみたいだ。


――

その夜。
「今日はコンテストの勉強するから」

という薪の
断りを、強引にねじ伏せて
薪をベッドに誘った。


「よそ見するな。薪。俺だけ見てろ」

そう何度も
何度も同じ言葉を呟かれ。

薪は素直に鈴木の顔を見つめながら
優しくキスを返す。

柔らかな薪のその髪を
小さな頭をしっかりと押さえつけて
体中を弄るたびに、
薪は嬌声をあげた。


鈴木は。
ラグビーを始めてから。
だいぶ身体が出来上がってきて
逞しくなった。
いつも気がつけば誰よりも近くにいて
誰よりも早く僕の変化に気付く。


「痛っ。」
思わず薪はそう小さく叫ぶ。

白いその肌に思い切り吸い付かれ
その部分が赤く染まった。

「お前は俺のものだ」
そう言いながら幾回にもわたって
きれいな白い肌に吸いつくと
赤いあざが
あっという間に浮かび上がる。

あっ、あっ。ああっ。


そのたびごとに身体をくねらせて
小さな叫び声をあげる様に
満足感を感じてしまうのは。
支配欲でいっぱいになっている
この今の自分は。
なんて傲慢で
なんて独りよがりの行為なんだと思う。

思うのに。
その欲求は底なしに広がっていく。


「お前は俺のものだ」
そう言われながら。
薪はいつの間にか。
涙が溢れている。


(僕は・・・誰かの所有物なんかじゃない)
そう言いたいのに。
愛してしまったことがそれを遮らせるのか。
なぜそんなことを言わせてしまったのか。

薪は苦しみながら
受け入れ続ける。

―――

「だめだろ」

次の日の朝食に向かう廊下で
長町にすれ違ったときだった。
ちょっとこい。
と腕を引かれ薪は部屋に引き戻された。

「ここ見てみろ」
と首筋を鏡で映されて
薪はハッとした。

そこには真っ赤なあざがいくつも
耳の後ろについていて
それを見た薪は昨夜の情事を思い出した。

「こんななりで食堂に言ったら
誰になんていわれるか」

後で朝食運んでくるから休んでいろ。
と優しく長町は諭す。


戻ってきたら何とかするから。
そう言ってドアを静かに閉めた。


―――


昨日、けしかけたのが悪かったか。

と食堂で目の前にいる鈴木を見つめる。
ちょっとイラついているようにみえるのは
自分がそうだからか。

「鈴木。」と小声で長町が話しかける。

後で薪に朝食をもっていってやってくれ。
具合が悪いらしい。

俺も後から行くから。

スポンサーサイト

COMMENT - 0

WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。