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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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予感6

 18, 2017 11:24
「薪さん」

入学式が終わって。
その背の高さからか、
難なく僕を見つけ出して
あいつが駆け寄ってきた。

その黒いマントが良く似合うなと
遠目にも思いながら。

「今朝はありがとうございました。
おかげで無事総代の挨拶も・・」

と言いかけて横から
「ねえ」と話を遮ったのは長町だった。

薪、誰こいつ。

言葉は薪に向けられながらも
じっと青木を睨みつけている。

「お前よりちょっと先に知り合っただけだ」
そう言って薪は小さな声で「じゃ」と青木に
囁くと、後ろにいる鈴木のもとに駆けていった。


「あのさ。言っておくけど。
薪に変な気起こしたらただじゃすまないから」

長町はあくまで強気にその後輩に詰め寄る。
自分より背が高いこともなんとなく気に入らない要素だと思った。

「いや、俺はそんな・・」

あまりいじめ過ぎるのは性に合わない。
本来の長町は面倒見のいい性格だ。

ただ、こと薪のことになるとつい、熱くなってしまう。
あの時のあいつの傷だらけの身体と。
艶めかしい白い肌が。
今でもフラッシュバックするほどだ。


「まあ・・嫌でも俺達とは関わることになるから。
同じ特寮生同士。仲良くやろうぜ」

そう言って「早く教室戻れよ」と
青木を急かして見送った。


「鈴木、ラテン語の授業取らないのか」
ふと見ると薪は鈴木の隣で何かを確認している。

背の高い鈴木を上目づかいで見つめる
薪のその表情はまるで恋をしているかのような
そういう表情だと思う。

そしてそんな薪を見つめている鈴木の
右手が、当たり前のように薪の肩に添えられる
のを。いつも俺はなぜか冷や冷やしながら見守るのが常だ。


いつも3人で、とはいうものの。
気がつくと、
この二人の距離感がどんどん近くなっていることに対して
複雑な気持ちを抱えている。

それは。
薪の鈴木によせる信頼ゆえなのか。
それともそれ以上のなにか別の感情なのか。
俺はいつもそれを見ぬきたくてたまらない衝動に駆られているのだ。



悔しいけれど。
俺がどんなに薪の近くにいようとも。

あの二人のようにはなれない。
そして俺は。
二人のことが好きなのだ。

―――

「薪いいか」

そっと部屋のドアを開ける。
鍵の施錠は基本個人の自由だが
薪の場合は例の事件もあり、
ほとんどの場合施錠がされている。

しかし。
薪が一人だけ部屋のスペアキーを渡している人物がいる。
それが鈴木だ。

寝てるのか。
暗い部屋をそっと見まわす。


「ん・・」
ベッドの中からくぐもった声が聞こえた。

「ちょっと頭痛い」
シーツから顔をちょっとだけ出して
薪は鈴木に薬を、、と声をかける。

ああ。
ともう慣れているという感じで鈴木は
キッチンから水と薬をもって薪のそばに
やってきた。
気がつくと相当具合が悪いのか
薪は苦しそうにシーツを剥いで少し荒い息をしていた。

「苦しい・・」
そういう薪の身体をそっと起こそうとしたが、
鈴木はふとその手を止めて一瞬考えると
薪の身体を支え抱き止めながら
薪の口の中にそっと薬を押し込み
そのまま自分の口に含んだ水を
薪の口の中に流し込んだ。


「ん・・・・」
苦しそうなその表情がなんとなく
恍惚さを帯びていて
鈴木は自制することにただ集中する。

飲み込めたか。
その言葉に薪は素直にうなずく。

着ている寝巻は少し湿っていて
もしかしたら熱もあるのかもしれないと
思わず額に手を当てた。

その瞬間薪の唇が
俺の首筋にあたって。

つ・・・ぅと温かい感触が伝う。

ダメだ。
自制できない。

そう思った瞬間に薪の口から
熱い息とともに吐きだされる言葉。

「鈴木、、鍵を」


言われるままに部屋の鍵を閉めた瞬間。
二人は安堵する。


その瞬間。
それは誰にも邪魔されない
二人だけの時間となる。

――

その白い肌を。
もっと。寄せてみせて。
そう囁く。

何度も丁寧に。
黒いマントのその清廉さのその下には
これほどの色気が隠されているなんて。

それをただ一人。
この男だけ堪能し操れる。

全体的に小ぶりな身体を
ゆっくりと濡れた舌で味わう。

あの日ついた傷は残っていないか。
あれから何度も体を重ねてながら、
鈴木は
そのたびごとに隈なく探す。
そしてきめ細かなその肌がただただ
熱く赤く染めあがっていく。


「ここの学園は、同性同士の恋愛が多いから」
そう言ったのは長町だった。
父も兄もここの卒業生だという彼の情報量は
恐ろしく多く、そして正確だ。


「まあ、だからって暗黙の了解の域だから。
男しかいないんだから。みんな寛容だよ」


そんな言葉を。
「まさか。俺は絶対女子だね」
と笑い飛ばしてきた鈴木が。


これほどまでにのめり込むなんて。
予想外だ。

ドアの外で。
長町がそっと。
ため息をついた。






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