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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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予感4

 16, 2017 08:18
石畳が引き詰められた
構内を黒いマントがはためく。

軽快にカツカツと小走りで
駆けていく様子に
同級生達が足をとめた。


「特寮生?誰?」

「薪だろ。」

「え、あの、例の?」



―――
例の一件の話は翌日
全寮全校に駆け巡った。

よりによって
上級生の中でも
最も信頼すべき寮長の
上級生自らが
下級生を襲うという
スキャンダルが公になったことは
全校生徒に衝撃を与えた。

だが
それは
行った事件そのものよりも
誰よりも華奢なあの薪が
上級生をのしたことのほうが
ある意味、皆に衝撃を与えた。

―――


「ここ、血が出てる」

そう言って薪の頬から
滴る血をそっとぬぐったのは
ドアを開けた鈴木だった。

床に落ちていたシーツを
そっと薪の肩にかけると
そのまま「とりあえず俺達の部屋で休んでろ」と
声をかけた。


ああ。
と血の気を失ったまま
薪ははだしで廊下に出ると素直に
鈴木に言われるままに
彼らの部屋に入った。


「今、総寮長がくるから」
そう言って長町は暖かいミルクを差し出す。


ありがとう。
そう言って
真っ白いシーツにくるまれて
微笑む薪に
一瞬ドキッとする。


よく見れば。
顔も体も傷だらけで。

一撃で伸したというわけでは
なかったらしかった。


・・・慣れてるから。

ふと独り言のようにつぶやく。

「えっ」

振り返ると薪は
ミルクを啜りながら
もう一度繰り返す。

「こういうの。昔から慣れてる」


ーーー

黒いマントは。
成績優秀で学長推薦の
得られた一部の生徒だけが
許された特権の象徴だ。

この姿をしている生徒は
一目で特別な存在だとわかる。

全寮生の彼らの中でも
特別なお屋敷のような寮に住み、
他の生徒が黒一色の詰め襟であるにも
関わらず、彼らの上着は自由に
決められる。

「薪、これどう?」
駆けていく薪の後ろに
ぴったりついていくのは
長町だ。

「なんだ?」
怪訝そうな顔で薪は
長町の指差すものを見つめた。

「何って。新しいベスト新調したんだ」

嬉しそうにマントをめくって
見せる彼。
そこにはラメの黒の生地に
真っ赤なラインが入っている
ベストが見える。

こういう派手な服がこいつは
似合う。

「・・変な柄だな」

一言薪は告げる

そんな言葉でさえ。
長町は嬉しそうに笑う。

この天使の容貌で
キツい性格で
とびきり優秀な
友人を誇りに思い、
気に入っているのだ。

男ばかりの
選民思想で覆われた
この学園の3年間を
こいつが一緒なら
楽しめそうな
そんな気がした。

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