明日目が覚めたら 僕は

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なみだ

 13, 2017 23:54
はあ・・。

部屋の一角で、
色めいた声がその空間を染め上げていく。

木造の一軒家。
家というよりもむしろ屋敷といったほうがしっくりとくるような
それほど重厚感がある建築物。
薪家。そしてかつての澤村家。

その腕に絡み取られて
割と筋肉質なところと
つるんとしたその肌質の
ギャップに
自分の身体が反応していく。
堕ちていく。


隣で眠るこの美しい友人に。
どこまで近づいたら
近づき過ぎになるのだろうと
想いながらおずおずと身体を寄せていく。

穏やかそうに眠る
その整った顔の至近距離まで近づく。

たばこの匂いが嫌だと言って
帰ってきて早々にシャワーを浴びた薪の身体は
石鹸のいい香りがした。
そして少し酒のにおいが混じっていて
先ほどまでの酒の席を思い出した。



昨夜は。
第九発足のキックオフが行われて。
薪も俺もいつもより
いや。かなり飲んでしまった。
職場からほど近い日本酒専門店で。
部下の一人が見つけてきた渋い店だった。

いろんな銘柄がそろっていて、
薪が物珍しそうに 
「これ飲んでみたいな」といいながら
試している様をみるのも楽しいと思う。


日本酒が好きという意外な面を
知ったメンバーたちは、薪のお猪口に
次々と酒を注いでいく。
それを遠慮しつつ、嬉しそうに
飲み干していく薪の横顔は。

希望に満ちていて。
未来に満ちていて。
キラキラしていた。

「薪さんと一緒に仕事ができるなんて夢のようです」
という部下がいれば
「なんでそんなにきれいなんですか」
とじっとみつめる部下もいる。
どちらにしても。
俺たちが作っていくこれからの第九を。
未来を。
皆高鳴る気持ちでこの日を迎えたのだ。
俺も嬉しくてつい一緒のペースで
飲みすぎてしまった。

やっとこいつの夢が。
思い描いていた捜査ができるという。
その未来に。

俺たちは興奮していた。

―――

学生の頃からの付き合いで。
大学に入ったころから。
徐々に。
こいつは屈託なく笑うことが多くなった。

辛い過去も。
悲しい記憶も。
こいつは、それを抱えながら
俺と一緒にいるときは、
素直な顔をして。
屈託なく笑う。

そんな顔が見たくて
もっと見たくて俺は必要以上に
こいつに関わってしまうんだ。




「ん、、、うぅん」

飲みすぎて気持ち悪いのか。
だるいのか。
何度も身体の向きを変えて悶える姿に
心配になって顔を近づけた。

学校から近く独り暮らしの薪の家に
ゼミの飲み会だ、会社の飲み会だ、と
何度泊ったかわからない。

薪も一人だと寂しいから。
と言って気軽に俺を泊める。


部屋もいくつもあるはずなのに。
気がつくと一緒のベッドに転がり込む様に
眠るのが常で。
今も変わらず二人で
比較的広めの薪のベッドで眠る。


「大丈夫か、薪」
と声をかけるが、眠っているのだろう。
返事もなく、すこし苦しそうな顔をして
眠っている。

その少し眉を寄せた表情が
心配で。

「おい、薪」とさらに声をかける。

すると合わせていた腕がそっと
抜けて、小さな手が俺のわき腹をそっと
掴むのが分かった。

まるで。子供のように
ぎゅっと上着を握っている姿に
一気に欲情した。

このぎゅっと握るのは。
薪の精一杯の欲求の合図だ。


抱き締めれば俺の腕の中に
すっぽりとおさまってしまうほどの
その体格は。
恋人の雪子よりも小さくて
可愛らしい。

真っ白なシーツの上で。
熱い体をさあ、と差し出されるとき。
きっともう誰も抗えないと俺は断言できる。


おずおずと俺の腕の中に潜り込んだ
薪は嬉しそうな顔をして
またすぅすぅと寝息をたてている。

なんだ。寝ぼけてるのか。
子どもみたいだな。

いつからだろう。
きっとあれは学生のころからだ。
酔ったせいにしてしまおうと
お互いそう言って。


今でも変わらず。
こうして一緒にベッドで寝れば
お互いの無言の了解で。
無言のままで身体を重ね合う
この行為はいつまでも続くのだろうか。
どちらかが口を開けば。
それは終わるのだろうか。


でもそれはまだ・・・・・


至近距離のこいつのおでこにそっと
キスをする。


そして鼻先へ。
そして柔らかなその唇へと。


何度も何度も。
優しく。
時に。
激しく。

唇から
舌を絡めて次第にその奥へと。

その合図に薪は心の底で
安堵しそして心置きなく溺れていくのだ。

絡めた舌のその湿った感触は
次第にお互いの身体中を滴らせる。

汗や舐め尽くす唾液で
体中が熱くトロトロに溶けていく。

嗚呼ん。
思わずハシタナイ声が部屋に響き渡って
薪は息をのむ。

「いいから。もっと出して。そのいい声」
そう言ってグッと胸ごと身体を引き寄せる
その力強さに。
常に屈辱と快感の相反する感情と感覚に
支配される。
気がつくと涙が溢れて呼吸が浅くなっていた。

ああ、はっ、はっ。ああ、もう。
素直な声と息が漏れ続ける。


なんて。淫靡なんだ。

いつの間にかお互い何も纏わぬ状態になって。
慣れた様子で薪の身体を愛撫し続けながら
鈴木がそう囁いた。


その声に反応した薪の目から
涙が溢れる。

「泣くな。薪」
そう言われて。
涙が頬からこぼれていることに初めて気付く。


もっと。
もっと。

僕にその感覚を。
僕にその激情を。
その君の愛情を。

身体に刻み込むほどに。
さもしくはないだろうか。
これほどまでに求めあうこの姿に。

いつか目が覚めて。
僕に背を向けることがないか。

それが怖くて僕は涙をこぼす。
「やっぱり友達でいるべきだったんだ」

そう言いながら。

俺たちは見つめながら
その唇を強引に引き寄せ
口づけを交わす。

もっと。
溺れてもいいから。

もっと。
もっと。


死がお互いを分かつまで。






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COMMENT - 2

Sun
2017.01.22
13:15

 #

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Sun
2017.01.22
22:45

柏木 けい #-

URL

Re: 鈴薪だなぁ・・・

S様。
コメントありがとうございます!
ありですかね。そう言っていただけると本望です。
なんかどうしても鈴木さんが何もしなかったように
思えない・・・と思いたい。という気持ちで書きました。

パブリックスクールのほうも
なんだか3人メインになっちゃって(笑)
些か現実逃避気味に書いています。

ご覧いただけて嬉しいデス。
またぜひいらっしゃってください。



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