明日目が覚めたら 僕は

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kiss kiss kiss 11

 04, 2017 00:56
「だいぶ探しました」

まさか
こんな真夜中になるなんて
予想していませんでした。

と青木は困った顔をしながら
それでもいつもと変わらぬ笑顔で
微笑んだ。

「岡部さんと一緒に帰ったって
聞いて、ご自宅の前で待たせていただいてたんですが」

―――

まさか研究室に戻っているなんて。


「お前こそ。今日は早く帰れと言ったはずだ」
所長室のソファで仮眠していた薪は
不機嫌な顔をして
起き上がり、ソファに気だるそうに腰かける。


「途中でやることを思い出したんだ」

だから・・・。
そう言った瞬間だった。
青木は隣に座り、薪の身体を思い切り
自分の胸に抱きよせた。


「やめろ」

その声も態度もつれないままで。
普段だったら。
それ以上のことは
差し控えたであろう。


だが。
青木には。

確信のある言葉が
あったから。


―――


その腕の強さは
今までの優しいものではなく、
狂おしさを隠しきれないような
感情的なもので、
薪は少なからず動揺した。


「おい・・」と苦しそうな声をあげる薪に対して
その腕の力を緩めることもしない。


「手紙を・・・。拝見しました」


くぐもった声が優しく響く。

薪はため息をつく。
(やはりそうか。岡部の奴・・)
あの後、僕を送り、その足で青木を探したのだろう。
いっそ、自宅に帰っていたほうが良かったか・・・。

そんな薪の気持ちを知る由もなく。
薪の頭にそっと顔をうずめたまま。
青木は喜びを隠しきれないというように
何度も、読みました。
と繰り返した。


いつしか、その言葉は。
涙声に変わり。
腕の力も抜けて優しく薪を包み込む。


「ずっと。ずっと。あなたの言葉が
あなたの気持ちが聞きたかった。」
そう涙声で薪を抱き締めるその温かさに
薪は観念したように。
その肩をそっと握り自分のもとへと引き寄せた。
艶めいた唇が囁く。

「前にも言ったが。
 お前は。僕と違って強くて優しくてそして
 柔軟だ。それは僕にとって憧れであり
 羨望だ。」

そう言うと、
そっと青木の眼鏡を外して
至近距離で唇を寄せる。



「お前は。お前のままでいればいい。」




自然と二人の身体は
そのソファに沈み込む。

二人のシルエットは。
次第に一つになって。
吐く息も。
吸う息も。
お互いを纏う空気の中で
一つになっていく。


kiss


kiss


kiss


飽きることなく。
それは続いていく。

この先も。
きっと。


あなたが
私が


生き続けるまで。







(fin)















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COMMENT 2

Tue
2017.01.03
23:33

 #

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Tue
2017.01.03
23:56

柏木 けい #-

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Re: kiss

わ、S様コメントありがとうございます!

あの手紙の結末が気になって仕方がない私・・・。
何か一言あの手紙に書き添えられていることを
願って書きました。

そして。
二人がいつまでもそばにいて欲しいという
願いも込めました。

が。そばにいるためには青木くんと
薪さんの覚悟が必要なのかなと
そんなこともつれつれ考えています。



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