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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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kiss kiss kiss 10

 03, 2017 19:20
「岡部、ちょうどよかった。」

執務室からでて帰る途中。
岡部の姿を見止めて
薪は声をかけた。


ドキッとしたが、

「今お帰りですか」と冷静に何事もなかったように
そう答えると、やけに上機嫌の薪は

ああ。と一言いいながら
その上機嫌さを隠そうともしなかった。


「嬉しそうですね。」
そういうと、ハッと我に返って
そんなことはないとムキになる。


岡部、このまま帰るなら
送ってくれないか。


「最近、運転手役は青木にまかせっきりだったしな」
とそう言っていたずらっぽく笑った。

―――


「あの・・・・」
 

後部座席に座る薪に。
意を決して伝えようと
岡部は話しかけた。

「なんだ」

「青木、ここ3か月でだいぶ成長しましたね」

と今日の記者会見の様子もだいぶ
落ち着いていて、と伝えると、
薪はそうだな。と素直にうなずいた。

岡部には。
隠しても仕方ないと思うのだ。


その言葉を聞いて、
その表情を見て、
岡部は断りもなく
車を端に寄せて
呼吸を整える。


外の空気も冷たく澄んでいた。
この人に。
伝えられるだろうか。


「どうした、岡部」

心配そうにのぞき込む薪の目も
見ることはできなかった。


「すみません・・・・・。
薪さん。俺。」


ん。


「あの・・・・実は」


ん。



「あのですね、、、」



・・・・岡部。
なんだ。
はっきり言え。


さすがにイラついた様子で
薪は強い口調で詰め寄る。


――


「手紙・・・。すみません。
読んでしまいました。」


その言葉を聞いて。
薪はしばらく無言でいた。

手紙・・・?

「あの・・青木の・・」

その言葉を聞いた瞬間。
薪は、ハッとした。

そして。
そっと自分の口に手を当てた。

表情を読まれないため。
だったのかもしれない。


そして。
窓の外を
できる限り無表情のまま
注視しながら一言つぶやいた。

「信書開封罪だな。またの名を刑法第133条。」

「あ、でもそれは開封した場合ですよね。
俺が見たのはあなたがおいていった開封済みの手紙で。」

と言う岡部の顔を
瞬きもせず見つめる薪を見て
しまったと思い、
岡部は慌てて押し黙った。

「お前は。
人の手紙を読んで
それに対して
なにか進言するほどの仲か。」


とこれ以上ないほどの低音で
薪はそう呟いた。


「いえ。ずっと申し訳ないと思っていたので。
伝えなくてはと。」

と。その手紙をカバンからおもむろに出して見せる。
その動作に。
目の前にある手紙に。

薪は一瞬戸惑う顔をした。


(なんで。ここにあるんだ)




「あの・・・すみません!
病室から黙って持ち帰ってしまって」


それを聞いて。
一瞬
薪の目が光った。

そして。
岡部の手にある
手紙を後ろから
掴み取ろうした。


が・・・・


「ダメです」


と予想していたのだろうか
岡部はその手紙をさっと自分の背広の
内ポケットにしまった。


「・・・青木に渡ってないと聞いて、あなた
一瞬、ホッとしましたね」

そう冷静に岡部に指摘され、
薪はぷいっと横を向いた。


「そんなことはない」


だが。
伝わっていないのなら。
それでもいいかと。


小さい声で呟く薪に岡部は
言った。


「これは。俺から青木に渡しておきます」

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