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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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kiss kiss kiss 7

 02, 2017 21:07

さすがに
無理か。


3か月経ったころだった。

「ちょっとこい青木」
所長室のデスクで
向かい座っている青木を見て
薪はそう呼び寄せた。


作業の手をとめ、
そちら側に向かうと
薪がもっと。
と小声で呟く。


結構な至近距離で
近づいた瞬間。


薪は
青木の胸に飛び込んで
シャツの上から
背中に手を回した。



わっ!


「し、仕事中に何を!!」


バカ、青木、静かにしろ。

そう言って何かを確かめている。

ふと俯くと
ふわっと柔らかい香りがして
ドキッとした。


繊細なのに。
誰よりも信念を持っている。
この人に俺はいつまでも
どこまでも一緒にいたいと
思い続けている。

だが、
連日の厳しい指摘と、
難しい案件の山と。
それに加えて所長代理という責務という
重圧は想像以上のものだった。



「痩せたな」

7キロくらいか。
背中にまわしていた手を
そっと離して
薪は青木を仰ぎ見て言った。



「ええ。さすがですね。
昨日測ったときちょうど7キロ痩せてました」


「やめるか」


この3か月の間。
第九時代以上に
厳しく接していた薪の表情が
一瞬和らいだ。


和らいだ表情と
発する言葉のギャップに
青木は眉をしかめた。

その表情をみながら
なおも続ける。

「精神的にも体力的にも限界だろ。
もう福岡に戻って一室長としての
責務を果たせ」

「・・・嫌です」

あからさまに
不機嫌な顔を隠そうともしないで青木は
そう一言つぶやいた。


「別に、ダメだったからと言って
お前の評価を下げたりもしない。
無理強いをさせているのはこの僕だ。
だから・・・」



その瞬間。
青木は無意識に薪の手を両手で
ぎゅっと握りしめた。


「ここでやめたら。
あなたにいつまでも近づけない」

あなたを
これ以上待たせたくないんです。


その表情をただ見つめる。
その瞳は
熱く
そして澄んでいて。

僕の心の芯に強くそれは
響いた。

本当は。
胸が震えるほどに。



・・・・わかった。

小さくうなずいて
薪は言った。


「これから出かける。ついてこい」

そう言って薪は車のキーを当たり前のように預けた。


―――


「総監のところまで」
そう言われて青木は一気に緊張が走る。

「先日お前に託していた一家惨殺事件の件。
今日記者会見を行う前の打ち合わせをするから
その資料をすべて持ってこい」

今日の6時から。
会見を行う。
進行は広報部がおこなうが、
詳細と説明はお前がするんだ。


分かったな。


――――



「本当に大丈夫なの、この子で」

執務室で総監は頬杖をついて
青木の説明に耳を傾けていたが
一通り終わると
最初に薪のほうを向いて
一言そう言った。




「その子、ではなく青木警視です」

ああ。
分かってるけど。
記者会見は君のほうがいいんじゃない。
マスコミも喜ぶし。

そういえば杵築さんから
進言があったけど。

あれはもういいんだよね。
と薪を見つめる。

科警研の所長は
誰でもできるわけじゃないしね。
もし君以外にというのであれば
ちゃんと後任を育てておいてもらわなくては。


「そうですね。そういう意味で
彼は適任だと思います」


この上ない笑顔で
薪が総監に近づきそっと耳打ちした。


そのしぐさがやけに色っぽく
艶っぽくて、
その場にいた者たちが
そろって顔を赤らめた。



「ああ。ああ、そうか」
総監でさえ。もれなく
そのうちの一人で。



じゃあ。よろしく頼むよ。
言われ薪と青木は深々と一礼をして
部屋を後にした。


―――






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