明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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永遠に2

 27, 2016 23:23

鈴木を失いたくない。


いつからだろう
そう思うようになったのは。


ずっと。
ずっと変わらないなんて。


そんなことあり得ない。





―――




僕のせいだ。


僕が。



行くな、
鈴木。

僕のそばに。

―――



「・・ま、薪さん、薪さん・・」

ぎゅっと。
ずっとさっきから
俺の肩を掴んだまま

強い力で引っ張られるのを
感じて目が覚めると

何か夢でもみているのだろう。

「鈴木、だめだ、いくな」

と苦しそうな顔をして
俺の身体に必死にしがみついていた。



たまに。
時折。



一緒にいるとそういう時がある。


普段から感情を出しやすい人だが、
泣きながら苦しそうにしがみ付く様は
尋常ではないと思う。

この人は。
一人で今までも
こうして苦しんでいたのか・・・
そう思うと、こちらまで胸が苦しくなった。


明け方の。
二人の甘い時間を超えた
穏やかな静けさの中にいたはずなのに。

数時間前までは
この人は俺だけを見ていたはずなのに。

ちょっと目を離したすきに。
この人の心は、今も。
亡き唯一無二の親友に
心を持っていかれてしまう。

薪のその苦しそうな表情が。
青木の心に。
言いしれぬ焦燥感を呼び起こさせる。


さすがに何度も鈴木さんの名前を呼ばれるのは
慣れてはいるが
ここはベッドの上。


泣きながらぎゅっと爪を立てながら
しがみ付くこの人の
気持を救いたいのか
それとも

ただ。

ただの欲情なのか。


分からないまま。
その涙をそっと手の甲でふき取る。

優しく、その髪を後ろから庇うように
撫でると、強張っていた力が少しずつ
抜けていくのをその指で感じる。

涙の跡が痛々しくて
そっと跡を唇でなぞる。


短い呼吸も。
しだいにゆっくりと
ゆっくりとした深い呼吸になり
耳元で
「大丈夫。大丈夫だから」
と囁き続けると
次第に意識がクリアになっていったのか、
羞恥心を隠せなかったらしく、
「・・・すまない」と
やけに素直に消え入るような声で
つぶやいた。

もういいから・・・・

と、少し気まずそうな顔をして
俯くこの人を。

狂おしいほどに。
自分のものにしたいという
欲望に支配される。


成人の男性とは思えないほどの
細やかなその肌と。
密度の濃いまつげの艶めきに。
そしてその薄紅色の柔らかな唇に。


隣にいて
欲情しない・・・わけがないのだ。


やっと静かに落ち着いたこの人を
そのままにしてあげたい。


でも。


気がついたら。
唇を重ね、ぎゅっと腰を引き寄せている自分がいた。


(もうどうにでもなれ)

その軽さにハッとしながらも
自分の腕の中におさまったままの
彼の唇を強く吸いながら
そっとボタンを外す。

露わになったその肌は
先ほどの夢にうなされたせいか
少し汗ばんでいて

そっと唇を寄せると
この人特有の色香に誘われた。

(鈴木さんは、よく普通でいられたな)

と思いながら、ああ、
そうではない、そうではないのだ。

彼の
隠していた想いを。
俺は。知っている。


なぜなら。
見てしまったから。
あの人の脳を。


―――


その肩を
その腕を
その腰を

自らの
赴くままに撫でる

無防備に身体をさらされたまま
薄いカーテン越しに月の光が
白い肢体にまるでベールのように纏われている


まるで。
彫刻のような硬さが際立つ。

この人以上に。
美しい人に会ったことはない。



―――

鈴木の夢を見ていたと思っていたのに。

夢から覚めていく感覚と。
身体の隅々まで敏感に反応していく感覚に
戸惑う。


「あ・・ぅん」

のどの奥から鼻に抜けていく喘ぎ声が
まさか自分のものだと認識できず
顔をしかめた。

ぼんやりとした感覚の中で。
甘く強く愛撫され続けることを
受け入れている自分。

「っつう、、ああ」

その瞬間意識がはねる感覚で
思わずのけぞる。

強い刺激に身体が反応していた。

そのたくましい
体の下に組み敷かれながら。

「そのまま。受け入れてください」

静かな。
それでいて
力強い言葉のままに

(従ってしまえ。)

と心の声が聞こえる。

その熱い胸板に押さえつけられて
抱き締められている幸福感と、
征服されている少しばかりの
屈辱感という相反したものに
囚われた薪は困った顔をして
青木を見つめた。

「お前、やけに強気だな」
そう言って。

そんな薪の言葉を受けて
眉を寄せながら青木は答える。

「あなたは。
何度も鈴木さんの名前を呼び続ける。
俺は。その度、超えられない無力感で
いっぱいになる。
それになにより。
あの人も。あなたを、、、」


吐き出される言葉。
その熱を帯びた
青木の唇に。

静かに。
そっと。

人差し指をそっと
かざす。



「黙れ」


そう言って。

思い切り
そのたくましい両肩に手をかけると
唇を奪う。
それは甘く苦しいほどの熱情を帯びて。

艶やかな濡れた唇は。
今までの誰のものよりもエロティックで
そして切ない。


何度も。

忘れろ。

忘れさせろ。

と言わんばかりに。
その唇は
甘く誘い続けた。


気のすむまで
ずっと。
抱き締めて。

永遠に。

いつか僕らが
この世界から消えるときが
きたとしても。


明け方の空が。
白み始めるその景色が。
現実に引き戻し。

そして。

僕らを押し出す。

もう。

歩き始める
準備はできている。






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COMMENT 2

Wed
2016.12.28
02:30

ふみそ #kSi.wH62

URL

拝読しました!

鈴薪からの切ない青薪、ありがとうございます…!
けいさんの小説の静かで熱くて大人っぽい雰囲気、ほんとうに素敵です。月明かりに浮かぶ薪さん…うっとり。
隣であんな風に鈴木さんを呼ばれたら、そりゃ平静でいられるわけがないですよね…青木くんがんばれ!!
ご馳走さまでございました〜!

Edit | Reply | 
Wed
2016.12.28
16:51

柏木 けい #-

URL

ありがとうございます✨

ふみそさん、コメント嬉しいです!
そういって下さると
また書きたくなるキモチが
フツフツとわいてきます。

今日メロディを買って読んだので
皆さんの感想も楽しみです~。

Edit | Reply | 

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