明日目が覚めたら 僕は

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嵐の夜だから2

 18, 2016 23:36
昨日の夜の激しさが嘘のような
穏やかな朝だった。


抜けるような青空で。


激しかったのは。
天候だけではなかったはずだ。

観念したように
本意ではないと受け入れながら
次第に、自分の欲求に抗えないと
喘ぐ様子はたまらなく愛おしくて。

お互いに何度達しても尽きることが
なかった。

無理をさせすぎたか。
と不安になり、
隣でうつぶせになって眠る
薪の寝顔を見ると、
まるで天使のように安らかに
眠っていてほっとした。


その髪の柔らかさも。
陶器のような白い滑らかな肌も。
まるでギリシャ神話の少年のようだ。


「眠っているときはこんなに可愛いのにな」


隣で頬杖をついたまま
柔らかなその髪に触れると、
一瞬眉が寄ったように見えた。

起きているのか。
と一瞬躊躇したが
静かな寝息を聞いて
優しく微笑むと


そっと、
ダブルベッドから
抜け出してシャワールームへ
むかう。


ふと。
携帯を見ると
知った名前が目に留まった。


「ああ鈴木。俺だ。すまなかったな。
場所わかるか」


―――

窓からまぶしい光が差し込む。

「おい、薪、もう起きろよ。」

シャワーから出て
バスローブ姿になった
長町は同じ体勢で眠り続けている
薪の身体を優しく揺さぶった。

ん・・


身体がだるくて
意識が鮮明になるのに
動けない。

昨夜は確か、
長町と二人で飲んで
その後・・・・


ああ。
そうか。
思い出した。
この体の痛みは。



「腕を・・」
と絞り出すような声で
薪はそう懇願した。

すると
ため息をつきながら
長町は意地悪そうに囁いた。

「鈴木がもうすぐ迎えに来るから
早く着替えたほうがいい」


「なっ」

その言葉を聞いて、
一瞬で
意識も覚醒した。

「なんで!」


そう言いながら薪は
悔しそうに長町を睨み付けたが


「お前、、まさかわざと。」

おい、待て。と長町が慌てて弁明する。


「お前の携帯に電話したのに
出ないからって、俺のところに朝方電話があったんだ。
迎えに行くって聞かないから。
変に言い訳するとかえって怪しいから
普通にしておけ」

と冷静に長町が淡々とそう伝えると
あからさまに薪は不機嫌そうな顔をして
ため息をついた。

「シャワー借りる」

そう言って
シャワールームに
向う薪の腕を思わず引き寄せ
自らの胸の中に抱えると
長町は柔らかなその髪に
顔をうずめた。


「鈴木とは?」

えっ?

思わず顔をあげて
見つめた薪に臆面もなく
続けた。

「鈴木とはこういうことしないのか」

そう言った瞬間だった。
今まで浴びたことのない
キツイ平手打ちが飛んできた。



痛っ。


「あいつは。お前とは違う」


そう吐き捨てるようにいうと
振り向きもせずドアを勢いよく閉めた。



「そういう。
本気で怒る顔、たまらんな。」

赤くなった頬を
そっと押さえながら長町は
微笑んだ。


―――

エスプレッソマシーンの
音に交じって聞こえてきたのは
シャワーの音だった。



「薪か?」



リビングに通されて鈴木は思わず
そう長町に尋ねる。


「ああ。あいつ意外と起きるの遅いんだな。」

キッチンでマグカップを片手に
長町は余裕の笑顔でそう答えた。

いつも三つ揃いのスーツを
着こなしている同期の休日の姿は
ラフなわりに上品で
嫌味がないなと思った。


育ちがいい、そういうセンスをしている。
年齢は一つ上で大学も同窓だが、
イギリスに留学していたため
入庁時期が一緒だったと以前聞いたことがあった。


エリート過ぎて周りが嫌煙する存在だ。
だが。
嫌いではなかった。

一つの懸念材料を除いては。


「すまなかったな鈴木。
今日約束があると聞いていたのに。
酷い天候だったから無理を言って泊めてしまった」

と素直に詫びる様子も
本心だろう。


「いや。
たまの休みだし。
俺も昨日は雪子と一緒にいて。」

という鈴木を嬉しそうに長町は見ている。

(あいつは。お前とは違う)

そう言った薪の。
あの悲しそうな瞳を。

知っているのは。
きっと今は俺だけだ。


そう思うだけで。
胸が躍った。



―――


お前こんなところに住んでるなんて、
さすが御曹司だな。


ふと部屋を見まわしながら
鈴木が振り返った。

「生前贈与みたいなもんだ。
気楽な次男坊さ」


「そっちの部屋は?」

ああ、書斎。


「じゃあ、こっちは?」

そこは寝室。



「見ても?」


そう見つめる瞳の強さに。
長町は思わず固まった。


「開けたければどうぞ」

と返事をしたが、
思い直したように言葉をつづけた。




「優男だけじゃないんだな。
薪を守っているつもりか。」

今までにない強い口調に。
こいつの本心を見た気がした。


ただ一つの懸念材料。
こいつの薪を見る目の。
その熱い視線の意味を。




「前から思ってたけど。
この際だからいうけど。」


鈴木はよどみなく言葉を発する。




「薪のことは。俺が守ると決めている。」


だから、
あいつにかまうな。





冷静にでも
熱くその言葉は響く。




「どこまで守れる?」


え?


「お前が結婚し、家庭をもって。
その先もあいつを今と同じように
扱えるのか」


「あいつがもし、」


その時だった。


ガチャっと


とドアが開く音がした。



「迎えに来てもらってすまない」


バスタオルでぬれた髪を拭きながら。
少しだけ紅潮した顔の薪はそう
何事もなかったかのように
その視線は鈴木に注がれていた。

ただ。
今を。
この時が。
少しでも長く
少しでもゆっくりと
過ぎるように。


だから。

今は何も。













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