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明日目が覚めたら 僕は

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小さな傷(12)

 04, 2016 00:17
殺されそうになったから。
殺したと。

そう供述しているそうです。

薪の自宅の
ソファに腰かけて
薪に取り調べの状況を
伝えていた。


「そうか」

静かに。
キッチンに立った薪は頷いた。

事件が解決してつかの間の自宅。
二人の間に微妙な空気が流れている気がする。




「飲むか」

年代物だ。
そう言って取り出したワインを
慣れた様子でグラスに注ぐ。


「目黒東署にいたのはほんの1年ばかりだった。
その後すぐに移動になって。
異動の時、設楽から贈られたのがこのワインだ」

二人は無言でその濃赤のワインを見つめ
そして口につけた。

「血の味がしそうだ」

と。
薪は怖いことを言う。

「どうして。別れなかったんだと
言いたげな顔をしているな」

立ったままワイン片手に薪はそう青木をみて言う。

くっ・・と思わず青木の嗚咽が漏れた。
思い出の中の彼女の笑顔と。
最後みたマンションのあの空虚さに。
耐えられなくなったのだ。


「どうして・・・・。
殺したいくらい憎んでいるなら。」

殺したいくらい好きだったんだろう。
きっと。

だから。
殺されてもいいと。
思っていたのかもしれない。

薪は静かにそう呟く。

その言葉を聞いて青木はハッとした。


「供述で、大西が言うには。
 最後「殺してくれ」と彼女が言ったと」


そうか・・・・。
だったら。


そっとワインをテーブルに置いて
薪は。

青木に近づき、
隣に座った。

その自然な流れに思わず
青木は身体を硬直させる。

青木をそっと抱きしめながら。
薪は遠くを見つめ彼に囁いた。

この上もなく甘美な声で。


僕も。
お前になら、殺されてもいい。




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