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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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小さな傷(10)

 03, 2016 23:22

「きれいな爪だな」

霊安室から運ばれた
彼女の死体を見て薪は一言言った。

僕の記憶の彼女と言えば。
いつも恥ずかしそうに
深爪を隠していて。

当時は。
それが彼女の自信のなさを
表しているように思えたのだった。

「それ。ジェルネイルっていうんですよ。」

雪子の後輩のスガがそう答える。
「マニキュアとは違うの?」
そういうと、
「ええ、マニキュアよりもっと表面が堅くて。
確か、ジェル状の樹脂をUVライトで固めるんですよ。
そうすると爪も補強されるんです。
深爪の矯正なんかにもよく使われてるみたい」


深爪の・・・

そう言いながら小さな細い彼女の指をそっと
見つめる。


「何か。ついている」

壁紙の破片みたいな。

「これ。採取しておいて」


―――

壁に何か。
隈なく薪は部屋の壁を見つめている。

「これが。彼女の爪に付着していた。
どこか、壁に傷があるはずだ。
小さなものかもしれない。」

小さな布から丁寧に取り出し
薪は青木に彼女の爪についていた
物質を見せる。


「色は似てますよね。ここの部屋の」


彼女がいつも一人で見つめていた
その場所は。

どこだろう。

ふと、クローゼットに目がいった。
「ここを」

(薪君。薪君。)

ふと。
なぜだろう。
いるはずもない。

彼女の声を
聞いた気がした。




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