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明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

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小さな傷(7)

 01, 2016 23:54
車の中。
密室の中での沈黙は重い。


「もう…無理だよ」

そう声を振り絞って。
やっと伝えることができたと
由真はそう思った。

誰もいない広い墓地の駐車場。
窓の外は暗闇で覆われていて。
誰もいないのに。

誰かに見られているような
変な感覚に囚われてしまう。

「お前、他に好きな奴でもできたの」
大西は静かに
でも落ち着いた声でしっかりとそう訊ねた。


彼女は。
一瞬目を閉じて。
次の瞬間目を見開くと
その瞳には。

今まで見たことのないような
怒りの色が見えた。



「まさか。」


そして。
「他の人と。結婚するのはあなたのほうでしょう」
と笑った。


俺は。
と大西は。
真顔で彼女を見つめる。


「俺は。都合がいいと思うかもしれないけれど。
由真とずっとこうして会い続けていたい」


そんな都合のいい話があるわけないのに。

なんであの時。
頷いてしまったんだろう。

私にとっては。
彼の弱さも。虚勢も。
そして優しさも。

全てだと思っていたのだ。

―――――


強い意思で。
あの時別れていたら。

何度思っただろう。
この20年もの長い間。

神様が与えてくれたチャンスを。
私は何度も何度も
無駄にしてしまった。

それは。
なにより。
心の弱さに他ならなかった。

私の心を。
もし知ることができたら。
それはきっと。
もう私がこの世にいないときなのだけど。

笑ってください。
馬鹿な女だと。

薪君。






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