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桜の木の下で

 25, 2016 22:07
「岡部、、あれどう思う?」


長町と岡部が珍しく二人で
見つめる先には

麗しの君。



春の緩やかな
その風なびく研究所の中庭には
大きな桜の木があって。


その桜の下のベンチに一人腰掛けて
どこかの国の原書を読みふける
薪の姿があった。

そんな姿を
ふと見かけた長町が
岡部に思わず声をかけたのだ。


「なにがです?」
身を乗り出して薪を見つめる岡部に
長町はふっと笑いながらつぶやく。







「あれ。待ち合わせだろ」

ああ、誰かを待っているのだ。
彼は。


「きれいだな」

桜のことではないくらい
さすがに分かる。


ええ。と思わず岡部もそううなずく。


相変わらずの美しさだ。
だれが見ても
きっと、目を奪われる。
いや、心も。



全体的に
色素の薄い彼の栗色の髪が、
澄んだ瞳が、

桜の花のその淡い繊細さと
彼のはかなげな美しさに
怖いほどなじんでいた。

真剣にその本を
読みふける様子は
子供のように夢中な表情だ。
周りの声も何も聞こえないほどの集中力。

時にその表情は事件を解明する時と
同じ表情であったりするのだが。






しばらくすると。
突然薪がこちらを向いて
微笑む。



桜の花も嫉妬するであろうほどの
花のような微笑みが、
こちらに向けられたと一瞬思った
二人は思わず赤面した。

そして一瞬にして
ため息をつく。





こちらをみていたのではなく、
待ち人が声をかけたのだ。




「薪さん!」

と声をかけたその長身の男は。
彼らのよく知る人物で。




遅くなってすみません!
と慌てて謝る様子に

少しだけ眉を寄せて
「遅くなってなどいない」

と言ってうつむき
今まで読んでいた厚い本をパタンと閉じた。

そして改めて彼のほうを見上げた薪の
その熱を含んだその瞳と。
まっすぐに見つめる年下の恋人の
優しい瞳が。
その視線が絡み合う様子は
お互いの気持ちがあふれ出そうなほどで。
見ているこちらがハラハラしてしまう。



ふと薪は
青木のその頬に
降りかかった桜の花びらに目を留めた。

至近距離で
彼の細い嫋やかな指先が
青木の頬にかかる。


「花びらが・・・」
そう呟きながら微笑む薪の
その唇の艶やかさに。
青木は一瞬めまいがした。


青木の紅潮した頬を見止めた
長町がつぶやく。






「あいつ。脈拍今、上がったな」





俺は。
呼吸が止まりそうでしたが。

岡部が隣でつぶやく。



「あんな表情。するんですね。」


ああ。
なかなか見れないよな。



桜のおかげだな。


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