fc2ブログ

明日目が覚めたら 僕は

「秘密」二次創作サイトです

外科室(オマケ)

この部屋は
いつも整っていて

無駄なものが何もない。

忙しいこの人は
この部屋を

いつ掃除するのだろう。
そんなことを考えながらも
窓に映る東京の夜景を眺める。


福岡の実家にいるときとは
まるで別世界。

煌く小さな灯りが
無数に輝き

そしてふと視線を内側の部屋に落とすと
同じように外を眺める彼の姿が見えた。

スポンサーサイト



外科室(10)

やっと捕まえた。

彼は僕の腕をつかんで
そう言った。


どこから走ってきたのか、
息が上がっていて、
せっかくの一張羅のスーツが
乱れていた。

――

必死に追いかけて
彼を捕まえた瞬間。

とっくに終わったはずの
気持ちが動き出しだしそう
だと思った。

――


外科室(9)

会場内は人でごった返している。
内輪で、と言いながらも
マスコミも何社か入っていて、
この会の本当の意味を
改めて思い知らされた。


外科室(8)

あれから何年経っただろう。

あの日を最後に
彼ともう会うことはなかった。

風の便りに
聞くことはあっても。

僕の記憶の彼は
悲しそうな笑みを浮かべている。

外科室(7)

シャンパンの細かな泡が
上がっていく様が
キレイだなと思った。

その泡の先にぼんやりと
写しこんだ彼の表情と
泡が妙にしっくりきて

ああ、泣いているのだなと。
納得した。



外科室(6)

あれから何年か過ぎ、
彼と会う機会も減ったが
ある日彼からメールが入った。

夏のやけに蒸している
そんな昼の。
中途半端な時間帯だった。



外科室(5)

*R 
ご注意ください。

―――


だいぶ髪が伸びたな。

組み敷きながら彼の顔を
じっと眺める。

前髪がだいぶ邪魔じゃないか。
そう言ってそっと掻き上げると
頑なに目を閉じている。

外科室(4)

僕らの関係は
彼が自宅待機になってからも
しばらく続いた。

当初は。
そういう関係になれた
ことだけで十分だと思ったのに。

外科室(3)

あの頃のことは
あまりよく覚えていないんです。

思い出したくもない。

久しぶりに会った彼はそう言って
僕を見上げた。

―――------
-------―

外科室(2)



第九がたいへんなことになっていると
永田町でも話が上がっていた
そんなころだった。


狂気じみた脳をみた捜査員が
次々と死んでいったらしいと。

そしてその最愛の部下を殺して
残った薪という男がいると。


―――

 | HOME |  古い記事へ »

文字サイズの変更

プロフィール

柏木 けい

Author:柏木 けい
はじめまして。

柏木けいと申します。
当ブログは秘密二次小説です。

清水先生および出版社様、
原作とはいっさい関係ございません。

大好きな作品「秘密」の諸先輩方の
二次創作の世界を知り
心が高鳴る経験をさせていただいてから
おこがましくも自ら
書いてみようと思い立ちました。

原作とは全く違うストーリーになりますので
お見苦しいところ多々あることと思います。
許していただける方のみご覧ください。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

お知らせ (32)
つぶやき (2)
レビュー (1)
第1章 出会い (10)
第2章 惹かれあう二人 (12)
第3章 写真の秘密 (4)
第4章 ブリュッセルへ (11)
第5章 パリでの生活 (14)
第6章 ルクセンブルクでの出来事 (5)
第7章 日本にて (4)
第8章 歩みだす二人 (12)
第9章 新しい命 (8)
第10章 東京 (42)
第11章 転機 (10)
第12章 秘密 (12)
第13章 二人の秘密 (23)
第14章 さよならの詩 (16)
第15章 最後の恋 (15)
第16章 春の嵐 (18)
第17章 柳は緑 花は紅 (17)
第18章 深爪 (13)
第19章 想い (12)
第20章 罠 (9)
第21章 外科室 (11)
第22章 ピジョンブラッド (16)
第23章 春の日 (14)
番外編 (86)
番外編 パブリックスクール編 (16)
いるかちゃんよろしく二次小説 (0)
第24章 幸福論 (7)

FC2カウンタ-

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

designed by たけやん