「秘密」二次創作サイトです
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東京32
もう帰る。

薪は目の前のバーテンダーに声をかけ
部屋の番号を告げて立ち去ろうとした。

そんな薪を慌てて追いかける。


「薪さん、待ってください」

なんでこの人はいつもこういう時
さっさと行ってしまうんだろう。
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東京31
「お子さんのことは後々様子を見るとして」と
坂巻はそう言いながら診療用のバックから
とりだしたのは小さな錠剤だった。

「奥さまのほうがおそらくショックが大きいかと思います。
今日はこれを飲んでお休みになってください」

精神安定剤を処方され、
彼女も素直にうなずく。


兄のことも。
従兄のことも。
そして僕の過去のことで
彼女たちを傷づけてしまったことも。

すべてに関係している彼女が
苦しくないわけがなかった。



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東京30
「詮は?」

坂巻が帰った後、
ホテルのディナーを急きょ予約して、
久しぶりの家族の食事をとることになった。

食事の最中で
すでに眠そうな顔をしていた息子は
部屋に戻る途中ですでに寝息を立てていた。

すみれはコテージのベッドに静かに寝かせ、
詮の隣に座り彼の髪を優しく撫でる。
僕の問いかけに気づかないのか、
彼女は優しくそっと上掛けをかけていた。

その表情を読みとりたいのに。
彼女はこちらも振り向かず息子の顔を
飽きもせず眺めている。





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東京29
その晩、詮の様子を
医師である坂巻がコテージで診察する。

「怪我はしていないようです。後はこのことを
フラッシュバックするかもしれません。
心のケアのほうが大事だと思われます。」
と僕とすみれに丁寧に説明してくれる。

おそらく仕事も同じようにこまやかに
対応できる医師なのだろう。

 
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東京28
僕らは
驚いて泣く詮とともに
部屋を出た。

「すみれ、なんて無茶をするんだ!」
薪は思わず彼女に詰め寄った。


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東京27
大学が別だったこともあって僕たちは
それぞれの道を歩み始めていた。


僕の父は森川ビルの社長だったから。
いずれあの会社を継ぐ兄とともに
会社に入ることを約束されていた人生だった。

かたや、同じ従兄なのに玲は
僕の父や叔父から敬遠された一族の息子。

しかしそれが僕にはうらやましかった。
何にでもなれる人生。
自分で選べる人生。


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東京26
北屋敷玲、いや本当の名前である
森川智は、取調室にいた。


***

「どうして僕が玲と入れ換わったか?」

その前に僕の罪をひとつ告白させてください。
と智はそう言って深呼吸をして上を見上げた。


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東京25
石の教会に3人の男達が現れたのは
その一時間前だった。

***

智。
もう終わりだよ。

その三人の姿をみて
智、と呼ばれた私の目の前にいる
兄であるはずの男は
観念した顔をして顔をゆがめて、
静かにスマホの電源をオフにして
両手をあげて
「降参だな」と笑った。


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東京24
玲、いや、智か。

ああ、いまだに紛らわしいな。
電話越しにいつもの声が心地よい。

聞いたか?
少し声のトーンを下げて
坂巻は僕に問いかける。

ああ、だから祖父の別荘にここ数日前からいるよ。
と笑うと、さすがだな。
と返される。

旧軽井沢にある昔ながらのこの別荘は
もうすぐ建て替える予定だ。
この辺でも有数の広大な土地に作られた
別荘は子供のころから良く知っている実家のようなものだ。

愛犬のノアが庭を走り回っている。
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東京23
僕と会いたいっていうのはあなたでしたか。

部屋のドアが静かに開く。
ドアに寄りかかり何も持たず。
彼はそう言って私をまっすぐに見つめた。

僕は真っ白の大理石の床に夕陽が差し込む様は
まるで白い肌が赤く染まっていくようだと
この部屋に足を踏み入れた瞬間に気づく。


ホテルに到着するとすぐにフロントマンが駆け付け
この部屋に案内された。

長町や青木を制し、
僕一人がこの部屋に来るようにとのことだった。
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