パリにて(1)

 15, 2015 23:46
日本やアメリカでの仕事一辺倒の日常を
当たり前としてこなしていた僕にとって、
出向した半年のパリでの生活は時間も空気もゆっくり過ぎていく。

フランスという場所柄であろうか。
彼らは生活を、暮らしを、人生を享受しているように見えた。

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パリにて(2)

 31, 2015 23:00
「いらっしゃいませ」

まるでカフェがその向こう側にあるかのような
洒落た扉を開けると
女性が微笑んで日本語で挨拶をした。



パリにて(3)

 09, 2015 22:50
そういう小説興味あるんですか?

ふと隣のスーツ姿の男性が話しかけてきた。

またか。

ここに来てから
こういう輩が多い。

パリにて(4)

 15, 2015 23:57
「先ほどはありがとう」
本当は女性に助けられるなんて、口惜しい気持ちが無いわけでも
なかったが、あのタイミングで流れを変えてくれたのは確かで。

レジで会計をしている彼女に向かって
一言お礼を伝えた。
古いレジスターの音がカチャカチャとやけにしっかりと響く。

「いいえ。」と小さい声で応え、
「雨が降ってますのでよかったらそこにある傘、使ってくださいね」と
業務的な挨拶を返された。

パリにて(5)

 16, 2015 00:23
今日もあの人が来てた。
すみれは閉店の片づけをしながらふと思う。

乱雑に置かれた本を棚に戻すのが
今日の最後の仕事だ。


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